今回は“海のむこう”の学校給食のお話です。“海のむこう”といっても場所はそんなに遠くありません。今回の舞台は私たちの地元 姫路市にある「家島学校給食センター」です。
姫路市家島町は播磨灘に浮かぶ家島諸島 大小40の島々によって構成されています。この家島諸島の中心地にある「姫路市立家島小学校」の中に学校給食センターは併設されています。
ところで、今回 家島学校給食センターをレポートした探検隊の2人、角石隊員と前田隊員は意外な共通点がある。何かわかるかの?
子供の頃給食を食べたことが無いんでしょ?
そうじゃ、とくに前田隊員は家島町の出身じゃ。実は家島で学校給食が始まったのは2011年9月。ごくごく最近のことなんじゃ。
たくさんの島があって、給食の食材やできあがった給食はどうやって運んでいるんだろう?
それはわしもすごく気になるところじゃ!そして自分たちの世代で食べられなかった給食を今の子供たちはどんな顔をして食べるのだろう?そんな思いを募らせながら、探検隊 出動じゃ!
まずは給食になる前の食材はどのように給食センターに届くのでしょうか?海のむこうなので、いつもの冷凍車は使えないですよね?答えは“船”、姫路の飾磨港から貨物船で給食物資を運びます。冷凍食品や冷蔵食品はしっかり保冷・梱包してから船に届けます。
そして、私たちが乗るのは貨物船でなく、旅客船。3月14日は寒空なれど晴天、出発した港がどんどん小さくなります。船にゆられること約50分、目の前に家島の港が見えてきました。
港から入り江にそって歩くと大きな建物が…2011年に竣工したばかりのピカピカの校舎、給食センターのある「姫路市立家島小学校」です。
学校につくと、栄養教諭の川口先生が笑顔で迎えてくれました。給食センターでは家島小学校・坊勢小学校 2つの小学校、約360食の給食を作られています。11:00の調理場は只今調理の真っ最中!天ぷらとうどんだしの良いにおいがしています。
ところで、家島と坊勢島は陸続きではないので、坊勢小学校までは船を使って配達する必要があります。だから順番としては、坊勢行きの給食を作って出発させてから、家島の調理に入ります。坊勢までは時間がかかるので、給食缶は冷めない「シャトルシェフ」仕様!
11:30坊勢行きの給食が完成!私たちは「給食が船で渡るところを見てみたい!」と反対側の港に向かいました。港に着くと1隻の貨物船が待機しています。しばらくすると給食センターの車がやってきて、船首から車ごと乗りこむと、貨物船は手際よく出港していきました。車はそのまま坊勢島で待機し、給食が終わると食缶を回収して戻ってくるのだそうです。
【本日のメニュー】
ごはん / 牛乳 / きつねうどん / たこの天ぷら
キャベツのごまあえ
学校に戻ると家島小学校の給食が出来上がっていました。弊社がお世話になった冷凍うどんはかわいらしい「きつねうどん」になっています。あれ?牛乳はコップに入っていますね。こちらでは流通・保存の関係で、牛乳は1リットルのロングライフタイプをご使用されているそうです。
それから、家島の特産物といえばもちろん“海の幸”。今日の献立には地元 坊勢漁協さんから提供された「たこ」が天ぷらになっています。今週の献立を見せて頂くと、月曜日は「こえびの天ぷら」、金曜日はえびといかが入った「シーフードカレー」!「同じ水産品でも、冷凍食品と地元のものでは味が全然違うんだよ」と川口先生、地元の“海の幸”をふんだんに使った、ここだからできるうらやましい地産地消献立です。
12:30 白衣を着た給食係の子供たちがやってきました。みんな「いただきます!」と丁寧におじぎをして、重たい食缶をかかえて教室に戻ります。教室から出てこられた桑名先生は前田隊員が小学生のときお世話になった先生でした。挨拶をすると「前田君か!大きくなったな」と覚えていて下さりました。
学校給食はその地域によって、使う食材や作り方・運び方がいろいろあるんだね!
家島は漁業がさかんだから給食にもたくさんおさかながでるんだね!地元でとれたおさかな、おいしそうだったな。
二人とも、学校給食が地域の文化や自然の恵みによって成り立っており、地元でとれた食材が子供たちの学校生活を豊かにしている、ということがわかったかな!
はーい!
はーい!
私たちは長時間 案内をしてくださった川口先生のお礼を言って、島を後にしました。給食を食べたことのない世代が大人になって地元の学校給食に携わり、子供たちの笑顔にふれる。私たちはこうしたつながりを大事にしていきたいと感じました。貴重な経験をありがとうございました!