経済的貧困
- 子供貧困率はおよそ7人に一人(13.9%)
- 日本の貧困率の高さはG7中ワースト2位
- ひとり親世帯ではOECD加盟国35カ国中ワースト1位
栄養格差は、生活習慣や基本的な対人関係に大きな影響を及ぼします。
厚生労働省によると、日本の貧困率は15.6%(相対的貧困率、2015年、熊本県を除く)であると発表されています。
さらに、17歳以下の子どもを対象とした「子どもの貧困率」は13.9%(2015年度)で、およそ7人に1人の子どもが貧困に陥っているという状況です。
また、ひとり親世帯に限って見てみると貧困率は50.8%と半数を超えています。
この様な日本の貧困率の高さは、国際的に見ると、米国に次いでG7中ワースト2位、さらにひとり親世帯ではOECD加盟国35カ国中ワースト1位という結果になっています。
相対的貧困率
相対的貧困率の国際比較
食料自給率
- 日本のカロリーベースの自給率は39%
- 先進主要国の中でも最低の水準
- 日本の農業人口の6割が65歳以上
輸入に頼りすぎると日本経済が潤わなくなり、貧困率の上昇に繋がります。
食料自給率とは、国内で消費される食料を国内の農業生産で、どの程度まかなえているかを示す指標のことです。
食料自給の状況は、主に食料のカロリーから算出する「カロリーベース総合食料自給率」と、食料の価格から算出する「生産額ベース総合食料自給率」を用いて表されます。
日本の自給率は、カロリーベース総合食料自給率が38%、生産額ベース総合食料自給率が66%となっています。(平成29年度)
日本のカロリーベースの自給率は先進主要国の中でも最低の水準であり、生産額ベースで66%を保っていますが、日常的に食べている食べものの多くを輸入していることには違いありません。
今後、もし食料自給率が下がり続けると私たちの食料の確保が世界の天候や食料問題に左右されやすくなります。
また、他国が食料の輸出が出来ない状況になれば、日本への輸出がストップしてしまい、私たちの食生活に深刻な問題を引き起こすことになるかもしれません。
また、農家の高齢化が進み、農業人口の減少や休耕田の増加も問題となっています。
私たちの主食であるお米でさえも他国からの輸入に頼らざるを得ない日が来るかもしれません。
食料自給率(食料自給率の長期的推移)
食品ロスと環境
- 日本の食品ロス(可食部分)は年間646万トン
- WFPによる世界の食料援助量320万トンのおよそ2倍にあたる
- 食品ロスは、環境にも大きな影響を与えている
“命を救える食品”を捨てているのです。
平成27年度の日本の食品廃棄物等の発生量は、約2,842万トンと推計されました。
このうち、本来食べられるのにも関わらず捨てられた食品ロスは、約646万トンにも上ります。
これを日本人1人当たりに換算すると、なんと毎日お茶碗約1杯分(約139g)のご飯の量を捨てていることになるのです。
また、WFPによる世界の食料援助量320万トンのおよそ2倍の量が日本国内だけで食品ロスとなっているのです。
さらに、FAOの発表によると、世界では年間13億トン近くもの食品が廃棄されており、これは世界の飢餓人口10億人を十分に養えるほどの量に当たるということです。
また、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する報告書によれば、最終的に廃棄される食品の生産に使用されるエネルギーは、温室効果ガス排出の大きな要因にもなっているのです。
食品廃棄物等の利用状況
食育の必要性
- 適切な食品選択や食事の準備のために必要な知識、技術について→“まったくない”、“あまりない”と回答するものが、20歳代及び30歳代の男性で7割、女性で5割
- 家族がそろって朝食を食べる日数「ほどんどない」→32%
- 朝食の欠食率→小学生3.6%、中学生6.7%
家庭での食事は、一番身近な食育の場と考えます。
皆さんのご家庭では、毎日家族そろって食卓を囲み、食事をしながらコミュニケーションを図ることができていますか?
近年、「核家族化」や「共働き」など、ライフスタイルの多様化によって食生活も多様化しています。その中で、特に問題とされているのが「孤食」です。
孤食は、他の「こ食」を加速させる原因と言われています。
ライフスタイルの多様化により、子どもが冷凍食品をレンジで温め、一人で食べることもある現代。
しかし、このような孤食により、子どもは栄養バランスよりも自分の食べたいものばかりを選んで食べる「固食」状態になってしまいます。
また、子どもが好むパンやパスタは「粉食」につながり、好きな量を食べるようであれば「小食」の問題も発生します。
このように「孤食問題」は、様々な食の問題を引き起こす原因となります。
さらに、家庭での食事で問題とされているのが「欠食」です。
文化省によると、朝食を食べないことがある小・中学生の割合は、小学校6年生で12.5%、中学校3年生で16.2%となっています。(2015年全国学力・学習状況調査より)
また、18歳未満の子どものいる世帯で、一週間のうちで家族そろって一緒に朝食を食べる日数は、「ほどんどない」が32%で最も多い結果となっています。
毎日朝食を食べることにより、学力や体力の向上につながるとのデータも発表されており、育ち盛りの子ども達にとって朝食を摂ることは不可欠であると言えるでしょう。
食事を家族と一緒にすることで、食事の大切さや楽しさ、マナーや食文化を子どもに教える食育の場になります。
また、家族で同じものを食べることにより栄養バランスの良い食事ができ、食習慣や生活習慣が整います。
一日一食でも家族で食事ができるよう心がけましょう。